『ねぇ、明日、学校行くから』


『かしこまりました。では、支度をしておきます』




 騎士(ナイト)くんと、もう1人の人と、そんなふうに話してたんだよね。

 帝王さんがどこの学校に通ってるのかまでは分からないけど…。




「役に立つ情報かな?」


「うん!浩太(こうた)さんに話してみる!」


「そっか、よかった」




 スパイって、こういう感じでいいんだ。

 それなら、ちゃんとできそう。

 愛奈が興奮した顔でスマホを操作する様子を見ながら、私は、ほおを緩めた。


 明日もお城に行って、帝王さんの話を聞いてこよう。

 あの血がついたハンカチもあとで洗っておかなきゃ。

 キッチンに冷蔵庫があったから、食材を買っていって…チャーハン、リベンジしてみようかな。



 帝王さんが見つめていた部分を思い返して、私は微笑(ほほえ)みながらハンバーグを口に運んだ。