ジューッと音が鳴るのを聞きながら、手を洗って、お味噌汁を温め、付け合わせのおかずを冷蔵庫から出した。

 頃合いを見てお肉をひっくり返し、おかずやご飯、出来上がっているものを器によそっていくと、お味噌汁も温まる。

 あまった時間は使ったボウルとかを洗うのに使って、忙しく動いているうちにハンバーグが焼き上がった。




「よし。愛奈、ご飯できたよ」


「んー」




 愛奈がリビングのソファーからダイニングテーブルに移動するのを見ながら、お皿をテーブルに運んでいく。

 支度が終わると、私もイスに座って、「どうぞ」と笑顔を向けた。




「いただきます」




 愛奈は小さく言うと、おはしを持ちながらスマホを操作する。

 ハンバーグを小さく切り分けて、スマホを見ながら口に運んだあと、無表情でもぐもぐしているのを見ると、私は、ほおを緩めた。

「いただきます」と口にして、私もハンバーグを一口食べる。