「それを知ってどうするの?」


「私、帝王さまの(プリンセス)にしてもらったわけですし、帰る前にご飯を作っていったほうがいいかな、と思いまして」


「あははっ、きみが?いいんじゃない?作る分には」




 気持ちよく笑った騎士くんは、腰をかがめながらどこか冷たい目を私に向ける。

 もしかして、美味しくないご飯を作ると思われてるのかな。

 これでも愛奈のために腕をみがいたから、料理には自信があるんだけど。




「それじゃあ、今から用意してもいいですか?よければ、騎士くんの分も作りましょうか?」


「妃さまの手料理なんて、騎士の僕には食べられないよ。さっさと料理して、帰りな?」


「そうですか…分かりました。それじゃあ、食材を買いに行ってきますね」




 前から思っていたけど、Night Empireって身分の差に厳しいみたい。

 私は騎士くんに笑顔を向けて、コンビニへ行くことにした。