エンペラーさんに対して失礼だとは思うから、小声で男の子に聞いてみた。
すると、男の子は目をまん丸にして、「知らないで来たの?」とおどろいたように言う。
「かわい~ね!じゃ、妃さまに説明してあげる。こっちおいで。…帝王さま、失礼します」
「あ、失礼しました」
エンペラーさんに向かって頭を下げる男の子にならって、私も頭を下げた。
顔を上げると、エンペラーさんは、うんともすんとも言わず、まぶたを閉じている。
大人しい人だなぁ、と思いながら、私はエンペラーさんがいた部屋をあとにする男の子についていった。
「Night Empireってね、夜の帝国って意味なの。だから僕たちを統べるあのお方は、帝国の王、帝王さまってわけ」
「ははあ。って、あの人がNight Empireのリーダーなんですか?」