―もっと、刺激的な恋を。―

「お互いのこと、好きになったら

負けっていうゲームしよう」


意味の分からないことを

いきなり口にだす君のことなんて

好きにはならない

絶対



それなのに

とろけるように甘くて

涙がでるほど優しくて

そんな君のすべてを

知りたくなってしまった




望月 鈴音(もちづき すずね)
高校2年生
〝主人公〟のフリをしている〝平凡〟女子


×


川瀬 朔(かわせ さく)
高校2年生
〝誰からも好かれる魅力〟をもつ男子





「俺たち1年間だけ、
一緒に住むんだってね」

「……え？」


ある日突然

彼と同居することになってしまった




「鈴音って可愛いね」

「あー、俺のものにしたい」

「ね、ちゃんとこっち見てよ」

「鈴音、ぎゅってして？」


男子と一緒に住むなんて

嫌だったはずなのに

ゲームに勝つための嘘の言葉だと

分かっているのに

甘い言葉に心が溶けていってしまう




「なんでそんなに苦しそうな顔、してるの」

「大丈夫、俺がいるから」


それなのに

優しいなんて、反則だ




「私が朔を、笑顔にしたい」


そんなことを思わず言ってしまうような

この想いに名前をつけるならば

なににしよう




本当は

認めたくなんてなかった



それでも

伝えたくなった




叶うことならば

君と一緒にいたいんだ




【一歩ずつ、君と一緒に。】




届け、この想い