「…お前さぁ、自分が若のものだって自覚しろよ」


「……してるよ」


「全くしてない。面倒見るこっちの身にもなれっての。お前の一挙一動全て俺たちの命に関わっているのと同じだ」


「……」



分かってるよ…。
それが、凄く苦しくて辛いってことも。



「あー、面倒臭い」


「…っ、巳波くんしか……」


「は?」


「……巳波くんしか話す人いないから、つい。いつも話しかけてごめんね。あ、私、トイレ行ってくる!」


「ちょ、おいっ」


私を呼び止めるような巳波くんの声が聞こえたけど、それを無視して早足で教室から去る。


巳波くんは何も悪くないのに、何故か涙が出そうになり、それを見られたくなくてつい教室を飛び出してしまった。


面倒臭いなんていつも言われてるのになぁ…。


私が感情的になっても、また面倒くさがられるだけなのに……。