私の隣に寝転んだ椿くんにぎゅうっと抱き締められる。肌と肌が密着して、こそばゆい。


「……っ、」


「何故泣く?」


「椿くんがっ…、酷いことするから…!」



行為が終わったと思った途端、我慢していた涙が溢れ出す。私は穢れてしまったんだと思うと、それが止まらなかった。


「気持ち良さそうにしてたけど?」



「…うっ、ううっ、さいていだよ…」



突き破られた時、失神しそうな程痛かった。
だけど椿くんは私が痛いと叫んでもやめてくれなくて、死んだ方がマシだとさえ思ったと言うのに。


「知らなかったのか?」


ふっと底意地の悪そうな笑みを浮かべた椿くんは、獲物を見るような目つきで私を見つめる。


まるで逃がさないと言われているみたいで怖い…。



「お前が何でもするって言ったんだぞ?約束は守らねぇと、だろ?」


ベロリと唇を舐められて、ひゅっと息を飲む。
椿くんの目は全く笑っていなかった。


「…っ、じゃ、じゃあもういいでしょ?!もう家に帰してよ……!」


「あ?まだ帰すわけねぇだろ」


ガリッと首元を噛まれ、咄嗟に椿くんから離れようとするけど、がっちり身体をホールドされているせいで逃れることが出来ない。


なんでまた噛むの…?!
誰か助けて…!!


「痛い…っ!」


「お前は中学を卒業したらここに住む」


「……え?」


唐突に告げられた理解し難いそれに、私の頭の中はハテナでいっぱいになる。

椿くんは本当に何を言っているのだろうか。
しかも“住め”じゃなくて、“住む”っていう断言。


「何でもするって言ったよな?」


「…っ、言ったけどっ、それはもう…!」


終わったでしょ…?

ここまで酷いことしておいて、まだ何かあるって言うのだろうか。