とうとう身につけていたもの全てを剥ぎ取られ私は生まれたままの姿になる。
羞恥心や嫌悪感でいっぱいで、この姿を椿くんに見られたくなくても、手を縛られているせいでどうしようも出来ない。
「やだぁ…っ、恥ずかしいよ…」
涙目で必死に訴えるも、雄の顔になっている椿くんには全く通用していないようで。
「お前それ、わざとやってんのか?」
「んぅっ…、んんっ」
息継ぎする暇もないくらいのキスの嵐を椿くんから降り注がれる。
もう噛まれなくなったのは良かったけど、そういう問題じゃない、これは。
「椿くん…、せめて、手、解いて…」
もう抵抗する気力もなくなり、椿くんにそう言う。せめて縛るのをやめて欲しかった。
「…………」
椿くんは無言で私を縛っていたネクタイを解く。
その表情は、何故か悲しげだった。
……何で、椿くんが悲しそうな顔するの?
悲しいのは私の方なんだけどな……。
「………優しくする」
私の頬に手を添え、愛おしそうな表情で見つめてくる椿くんに戸惑う。
さっきまで怒ってたのに……。
なんでそんな顔するの…?
ーーーこの日、私は椿くんに処女を奪われた。