連れて来られたのは彼の自室で。


椿くんに似合う、シンプルな黒いベッド。
そこに容赦なく放り投げられた。


「きゃっ!」


ボスンッとベッドが揺れる。


「…お前が何でもするって言ったんだ、黙って受け入れろ」


「え…?な、に…、」


得体の知れない恐怖に声が震える。


そしてガブ、と唇を噛まれたかと思えば、椿くんが私に馬乗りになってくる。


噛まれたことによって塞がりかけていた傷が開き、口の中に鉄の味が広がっていく。


「んぁ…っ、いた、やめて…!」


「お前の血、美味い」


何とも背筋の凍る発言をし、私の傷口を抉るように貪る椿くんは、正気の沙汰ではない。


「ふ、っ…、い、た、いたい…っ」


噛んだり、舐めたり、吸ったり。
私にあらゆる刺激を与え、愉しそうに笑う椿くんは大分性格が悪い。



「その痛みが快楽に変わるように躾てやるよ」


「んぅっ…、やっ、な、に」


耳元でそう囁かれた後、耳をグチュグチュと犯すように舐められて、ゾクゾクと全身に刺激が走る。


なんでそんな汚いところ舐めるの……。


「ンッ、やだっ!!やめて!」


耳を舐められるのが嫌で抵抗しようとすれば、顎を掴まれ、ぐちゅ、と舌を口の中に捩じ込まれたかと思えば、大量の唾液を流し込まれた。


「んぐっ…、げほっ!!」


そしてそれを思いっきり飲み込んでしまった私は激しく噎せてしまう。


そんな私の様子を見て、椿くんは嬉しそうに笑っていた。


「お前が俺の手によって、痛み、快楽、苦しみを感じているのだと思うと最高にゾクゾクする」


「げほっ、げほっ…!」


「お前は俺のためだけに生きろ。他の奴らなんて見る必要ねぇんだよ」


「…はぁ、はぁっ…」


「……お前が俺を裏切ったんだ。その責任は、取ってもらう」