「…よし、」


あれから暫く泣いた後、何とか気持ちを落ち着かせて自分に喝を入れる。

無駄だと分かっていたけど、また立ち上がり
ドアノブを捻ろうとするとーーー



ーーーゴンッ!



「いたっ!」



急に扉が開いたものだから、頭を思いっきりぶつけてしまった。


いてて、と顔を上げれば、目の前に、天使のような見目麗しい美少年が佇んでいた。



この子、誰…?
なんて綺麗なんだろう…。


長年夏目家に入り浸っているけれど、
こんな子、初めて見た……。