ーーー何、してるの……？
やめてよ、なんで電話に出たの。
椿くんに怒られるっ！
頭が真っ白になって、何も考えることが出来なくなる。
私が椿くん以外の男の人と話すことを嫌う彼が、この状況に怒らないわけが無い。
「ーーーもしもし？」
「ーーー俺？俺は、栗原の友達…って、」
木崎くんが“切りやがった”とスマホを返してくるけど、頭がいっぱいいっぱいな私はそれを受け取ることが出来なくて。
木崎くんの“友達”発言にも耳を疑ったけど、それ以上に椿くんにどう思われたか怖くて仕方なかった。
ただ、勉強してただけ、だから。
大丈夫、大丈夫…。
そう自分に言い聞かせることでしか、落ち着ける方法がなくて。
「…なに、お前の彼氏？｣
「…違う…、」
「にしては独占欲丸出しだったけど」
「………」
……椿くんは、私に依存しているだけ。
たまには椿くん以外の人と、と思って参加した勉強会だけど、やはり椿くんの事を気にしてしまう。
良くないってわかってるのに…。
