そして放課後。


「いやぁ、狩屋くんありがとね〜。勉強教えてくれる上に勉強場所まで提供してくれて」


「全然いいよ。親も居ないし寛いでって」


ゆかりちゃんが狩屋くんに満面の笑みでお礼を言う。


勉強場所はどうしようか、となった所、狩屋くんが自宅に招いてくれたのだ。


長机を4人で囲い、それぞれ教科書やノートを広げはじめる。


因みに、ゆかりちゃんは狩屋くんの隣。
私は木崎くんの隣という形で座っている。



……嫌だなあ木崎くんの隣だなんて。勉強に集中出来ないよ。


でも、目の前にいられるよりマシなのかな…。


私はちら、と木崎くんの方に目を向ける。


すると木崎くんも私の方を見ていたようで、ガッツリ目が合ってしまった。


うわ〜!


なるべく目を合わせないようにここまで来たのにやってしまった…。絶対こっち見てんじゃねぇよって思われた…。


そう思い、私は慌てて目を逸らす。



「おいテメェ!さっきからなんだその態度!」


「えっ…、ご、ごめん」


やっぱり絡まれてしまった…!

ギロッと睨んでくる木崎くんが怖くて謝ることしか出来ない。


なんでこの人いつも怒ってるんだ…。


「これあげるから怒りを鎮めて…」


カルシウム不足してんじゃないの…と、何故かそこにおやつとして置いてあった煮干しを渡すと。


「ふざけてんのか!こんなもん要らねぇよ!」


どうやら更に怒ってしまったらしい木崎くんに渡した煮干しを投げ返されてしまった。


「た、食べ物粗末にしたらダメなんだよ!」


「うるせえブス!てめぇの頭ん中、煮干しでも詰まってんじゃねぇの?」


ひ、酷い…。


「おい光。栗原さんに酷いこと言うなよ」


口の悪い木崎くんに怯んでいれば、見兼ねた狩屋くんが庇ってくれた。


さすが狩屋くん。
木崎くんと違って凄く優しい。


……ほんとに木崎くん苦手。