「ねえ、紗凪(サナ)」
「なぁに?勇人(ハヤト)」
「紗凪はさぁ、明日を生きてみたいと思わないの?」
「なんで?」
私は勇人に尋ねるけど、言葉は返って来なくて...
ただ、辛そうにこちらを見る、君がいた。
「俺が生きる理由であげるから、死にたいなんて、飛び降りようなんて、言わないで?」
死にたがりな私に、唯一、『死ぬな』じゃなくて、『命を粗末にするな』じゃなくて、『死にたいなんて言わないで』、『生きる理由をあげるから』と言ったのは、 最初で最後、君だけでした。
誰もが諦めている中、君だけが私を見放さないでいてくれた。
「じゃあ、ずっとそばにいてくれる?私をおいていかない?愛してくれる?」
「うん、」
そう言った言葉の後には、なにか続きそうで、でも、なにも続かなかった。