「……あ。きたきたー」


真っ黒な髪の毛に、光のない真っ黒い細い瞳。

目の下のホクロが特徴的で、背が一輝にいぐらい高い。

180センチは超えていそうだった。、


「おはよっ、陽菜ちゃん」
「……だ、だれ……ですか」
「そういえば初めましてだったね。僕は黒瀬凛斗。よろしくね」
「……」


この人、見るからに強い。

そもそも体格にも恵まれているのに、護身術などの心得もありそうだ。

ってか、近くない距離……!?


「……あ……やば」
「え?」
「そんなに見つめられると僕照れちゃう」


口角をにやっとあげて、死んだ目で見つめてくる。

……不思議な人だ、普通に怖い。

ってか……人の席に座って何を一体していたのだろう。


「……あの、どいてくれませんか」
「強いね」

あんまり大事にしたくない……この人、本気で強そうだし。


「当たり強い陽菜ちゃんも好きだよ?」
「ほ、本当に初対面ですよね……?からかうなら、別の人にして欲しいな、なんてっ……」
「からかう?ずっと本気なんだけど……」