「……で、どう?最近、新しいのできたらしいよね。危ないかな」
「ああ、見張ってはいるがな……総長が、どうも強いらしくて容易に近づけねぇんだ」
「そっか。じゃあ私が行こうか?」
「いや、いいよ。お前はあんまり前に出るな」
「あはは、大袈裟だなぁ」


どこか、表情に曇りのある京ちゃんを見て嫌になる。


「ねぇ、まだ気にしてるの?」
「……」
「気にしなくていいってばぁ〜私はもう気にしてないよ?」
「嘘つけ」
「嘘じゃないよ」


私には、両親がいない。

兄と弟はいたが、兄も他界して今弟は病院にいる。


そのことを、まだ京ちゃんが気にしているらしい。


「……あーあ。なんか落ち込んできちゃったじゃん、私まで」
「っ、ごめ……」
「パフェ奢って!一緒に食べよっ?」
「……ああ」


ということで、行きつけの喫茶店に入ることになった。

ここのチョコレート苺パフェがなんと言っても絶品!!

濃厚なチョコレートに甘々な苺が美味しくて、スポンジはふわふわ。

量はかなり多めだが、問題ない。


最近痩せたし、その分太っていいよねぇ〜。


そんなマインドでパフェをむしゃむしゃ食べる。
すると、喫茶店に知り合いが入ってきた。


「お、陽菜!」
「明くん!一緒に食べよ〜」
「おう!」


彼は宮沢明くん。声がデカくて元気な同級生だ。