「うーわ、ゴリ山じゃん。朝から何やってんの?」

「おはよう、柳楽(ヤギラ)。朝の挨拶だろうが。俺の覚醒にも繋がる」

「覚醒してから来いよ」



校門には担任である、ゴリ山…笹山(ササヤマ)が立っていた。
体育教師で暑苦しく、まさにゴリラのようだと言う事で付けられたのが“ゴリ山”というあだ名である。



御厨(ミクリヤ)も、おはよう!」

「……おはよう」



朝からよくそんなに元気でいられるわ。

笹山にちょっかいをかける空人を横目に先に靴箱へと向かう。



「うーみ!」

「わっ、っぶな」



ドンッと背後から思い切りぶつかって来たのは友達の鹿嶋 朱莉(カシマ アカリ)だった。



「おっはよー!」

「…おはよ」

「何〜?元気ないなぁ」

「朱莉が元気すぎんの」

「それが私のモットーだから」

「私にはやめて」

「なんでよ、私が元気なかったら海も調子狂うでしょ?」



元気でいつもうるさい朱莉が突然静かになる……、全く想像出来ないしそれは朱莉じゃない。



「……そのままでいい」

「ほらぁ!」