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雫玖の一回忌を終え、その数日後。
突然空人から海へ来るように呼び出しをくらい、土曜日のお昼にわざわざ外へと向かう。



「…空人?わざわざ呼び出して何の用?」



お互い家近いんだから直接家に来た方が早いのに。
そう思いながら海面の近くに居る空人の後ろ姿に話しかけた。



「わざわざ悪いな」

「何?もう。もうちょっと寝てたかったのに」

「ぐぅたらすんなよ。太んぞ」

「余計なお世話」



手元には四角い何かのケースがあった。



「この前の一回忌の時、雫玖のお母さんから渡された。……これ、海にって」

「……え、なにこれ」



カポ、とケースを開けるとそこには指輪が差し込まれていた。
太陽の光を浴びてキラキラと光っている。



「なんで、こんな…」

「ごめん、海」

「え?」

「……多分、俺のせいだ」



穏やかな波に似つかない少し強い風。
おかげで髪の毛が色んな方向に舞ってまとめるのが大変。

空人の声がそんな風の中冷たく響いた。












「雫玖が死んだの、多分俺のせいだ」