朱莉となんとか1日を終え、HRが終わった後笹山に呼ばれた。



「これ、柳楽に渡しといてくれ」



それは今日貰ったプリント。
もうすぐ三者面談があるからという保護者へのプリントとか進路関係のプリントとか。



「…頼んでいいか?」

「あぁはい。いいですよ」

「ありがとう、助かる」



高校3年生の後半は何かと忙しい。

結局メールは未読のままだし、追いメールをするのもなんだか癪だからそのままにしている。

朱莉と別れた後、いつも通り海を見ながら空人の家へと向かう。



「あっ、海ちゃん」



インターホンを押して出てきたのは空人ではなく、空人のお父さんだった。



「久しぶりだね?今日はどうしたの?」

「…あ、空人に学校からのプリントを」

「あぁ!そっかそっか。わざわざありがとう」



ファイルから空人の分のプリントをおじさんに手渡した。