「っ、びっくりしたぁ。お前起きたの?」
「はっ!?なんでここに居んのよ」
「はぁ?一回忌終わってお前の様子見に来たら寝てたから、」
時間を見るともうお昼を過ぎていた。
制服姿の空人はどうやら終わってそのまま来たらしい。
「…来るなら着替えてから来なよ」
「だってお前…。返信来ねぇし、インターホン鳴らしても出ねぇから」
「お母さん達は?」
「まだ雫玖の家に居る」
「そう…」
相変わらず“俺は心配しています”という表情で私を見る空人に少し笑ってしまった。
こいつはこんなにも世話焼きだったのか、とか彼女が出来たら尽くしそうだなぁ、とかどうでもいい事を考えた。
「なんだよ?」
「別に、なんでもない」
「……なぁ、しばらくここ居ていい?」
「好きにしたらいいじゃん」
「うっせ。“いいよ”ってだけ言えばいいだろうが馬鹿」
大してする事なんてない。
お互い同じ部屋にいるけれど、私はベッドに横になったままスマホをいじって空人はベッドの下に座ってスマホをいじっていた。