雫玖が居ない世界はつまらない。
『あれ、海今日何か違う?メイク変えた?』
『変えた!分かる?』
『分かる分かる。すっごい可愛い』
『うーみ。何してんの?もう』
『ん〜〜、眠いからぁ』
『空人先に帰っちゃったよ?』
『2人で帰ればいいじゃん〜』
『帰りにアイス買って帰ろっか』
『賛成!』
『あ、起きた?ほら、鞄持って行くよ』
『あの人誰?』
『あの人?あぁ、中学の時の空人の部活の先輩だって。同じ高校だったみたいでさ』
『空人の?ふーん』
『あ、何?ヤキモチ?』
『何ニヤニヤしてんの、ムカつく』
覚えてる。昨日の事のように流れてくる雫玖との思い出。
怒った顔も笑った顔も全部好き。
『……俺の事、怖い?』
ハッとなって目が覚めた。