15年後の再発

さてさて、聞いておくれやす、お話の舞台は15年経ち、再び起こったあの出来事に戻る時でござる。

3日前、いつものごとくブックオフに足を運んだ主人公、何やら今日は妙に惹かれるコーナーがあるじゃないかいな。いつも見やせん「スピリチュアル」の棚に、ずらりと並んだ本。その中から手にしたのは、なんとCD付きでたった200円だ。ほら、普通なら付録がついてるもんは値が張るもんだが、こりゃ違う。運命の手引きか、心を引き寄せられてページをめくれば、そこには「潜在意識」なんて難しい言葉が書かれておった。

「貧乏人はいつまでも貧乏人、金持ちはいつまでも金持ちだ」って、おかしなことを言うではないか。お金を手にしても、潜在意識がそれをパチンコに突っ込んじまって、元の貧乏に戻るっちゅうんだ。この潜在意識ってのは、なかなかやっかいなもんだと、主人公も気づくことになるんだな。

さて、その後の出来事よ。60歳になった主人公は、部屋でAKB48の指原莉乃の卒業コンサートを楽しんでおったが、突然、電源がショート。おやおや、身体がだるくて腰も痛む、何か不吉な予感がするじゃないか。ウトウトして目覚めたら、今度は街をブラブラと車で走り出す。どうにも気が晴れんまま、家に戻ると、音楽を聴き始めたとたんに、身体が軽くなってくるではないか。

そして、あの統合失調症の感覚が再びやって来る。テレビの画面に映る指原の目、死人のように冷たい目だ。ほら、何かが起こる前触れだと、背筋が凍りつく思いだ。チャンネルを変えても変わらない、テレビの中の人々が皆、主人公を見つめているように感じる。その不気味な雰囲気に包まれて、過去の記憶が蘇る。

あの品川駅での線路飛び込み事故。奇跡的に助かったものの、その時見たテレビ画面の不自然な目線が、今の状況とリンクする。何かが起こる、そう確信した主人公は、思考回路が乱れ、妄想に取り憑かれる。

これからが難儀だ、テレビはただのテレビではない。霊的な波動を受け取る装置であり、エジソンですら解明しようとした霊魂の周波数を、主人公の脳内コンピューターが捉えてしまったという。自分の脳とテレビが戦争を繰り広げる中、主人公は現実と妄想の境目がわからなくなり、統合失調症との戦いが激化する。

さあ、二週間の戦いが終わり、ついに主人公はその妄想の世界から抜け出した。霊魂の存在を確信し、スピリチュアルな悟りに導かれる。そして、ライトワーカーとしての使命を見出し、この世界で果たすべき役割を悟ったのでござる。

物語はこれで終わらん、続きはまたお聞かせいたそう。