『ディアンヌ、わからないことがあったらボクに聞いてね』
『ボクがそばにいるから安心してね!』
ディアンヌはピーターの気持ちが嬉しくてたまらなかった。
だからこそ、少しでも力になりたいと思う。

一つだけ心配なのは、ピーターは相変わらず少食だということ。
このままでは体調を崩してしまうのではないか、そう心配していた。
ディアンヌはマリアに髪を整えてもらい、軽装のワンピースに着替える。
怪我が治り、自由に動ける足もある。
そしてメリーティー男爵家から荷物が届いたため、やることは一つである。


「マリアさん、わたしに料理をさせてほしいの」

「料理ですか!? それは、もしかしてディアンヌ様が使うのでしょうか」

「もちろんです!」


マリアは心底驚いた表情をしている。
たしかにメリトルテ公爵家ではありえないことかもしれない。
しかしディアンヌはその理由を説明する。


「ピーターのために、どうしても作りたいものがあるの」

「そのためにメリーティー男爵領から荷物を?」

「えぇ、畑で採れたたくさんの食材やフルーツを送ったのよ!」