「丁度、一週間後からロウナリー国王陛下と共に大切な会合に参加しなければならないんだ……」


どうやらその会合にもピーターはついてくるつもりでいたそうだ。
恐らく彼は貴族として育っていない。
ピーターは母親と共に寝たり、食事をしたりするのが当然だと思っている。
故に親となったリュドヴィックにそれを求めている。
貴族としての勉強も初めようとしたものの、母親を亡くしたばかりの彼には酷だとまだ色々と準備段階なのだそうだ。

ピーターは誰にも心を許しているわけではないらしい。
リュドヴィックは宰相の仕事で朝から晩まで忙しいそうだ。
だが、ピーターは無理やりついてきてしまうため、昨日のように迷子になることもしばしば。
正式に公子である彼に意見できるものは少ない。
彼が懐くディアンヌが現れたことは、リュドヴィックにとっては天の助けに思えたようだ。
それほどにありがたいことだったのだろう。


「今回のパーティーとは違い、一週間後の会合は国外からの来賓も多い。ロウナリー王国として絶対にミスはできないんだ」

「そういうことならわかりました。わたしがピーター様のお世話係になります!」

「……ありがとう、ディアンヌ嬢。助かる」