身の回りのことも一緒に連れてきた侍女のララに任せっぱなしだそうだ。
カトリーヌは隠れたところでわがまま放題をしており、マリアも注意しているが聞くことはない。
表向きはいい顔をしているため、リュドヴィックに報告したとしても信じてはもらえない可能性が高いらしい。
完全にディアンヌを敵視していたカトリーヌは、ベルトルテ公爵家の侍女たちからは嫌われているそうだ。
それからディアンヌはリュドヴィックを狙うカトリーヌのような存在かもしれないと警戒されているだけだとマリアが教えてくれた。


「エヴァさんから聞きましたわ。ピーター様を救ってくれたそうですね。まだお二人の出会いや関係はカトリーヌに知らされておりませんが、恐らくこれからは……」


顔を曇らせるマリアをディアンヌは頷いた。
カトリーヌには注意した方がよさそうだ。
エヴァとマリアはリュドヴィックとの出会いを知られているため、ディアンヌには好意的ということになる。


「それにディアンヌ様は随分と無理をされたのですね」

「寝ぼけていてつい……」

「ふふっ、また包帯を変えないといけませんね」

「よろしくお願いします」