(あーあ、折角の出会いのチャンスも活かせなあなんて……あの子らしいけどね)

パーティー会場に戻ってきたディアンヌは走ってきたのか頬は赤らんでいて、妙な色気を孕んでいる。
純朴な容姿とセクシーなドレスは、男性の視線を集めていた。
このまま放っておくことはできずにシャーリーは前に出る。

周りの令嬢やジェルマンには没落しそうだと無理矢理屋敷を尋ねてきて招待状を奪われた。
愛人になろうと一人でパーティーに乗り込んできた悪どい女だと説明していた。
学園では評判のよかったディアンヌも没落寸前で追い詰められたことで豹変したと思っている。

(フフッ……いい気味)

あっさりと騙されている友人やジェルマンは、ディアンヌを敵視しているようだ。
味方もいないこの状況でディアンヌは肩身の狭い思いをしている。
追い込むなら今だと思った。

ディアンヌの耳元でコッソリと真実を告げる。
すぐにでも泣き出すと思いきや、こちらを睨みつけたのだ。

さらにディアンヌを追い込むように自分の立場を教えてやった。
少しでも印象をよくしたいのか、その場を去ろうとするディアンヌ。
シャーリーはとどめとばかりに、こっそりとドレスの裾を踏みつける。