前世含めて男性経験がまるでないので、これだけで顔が真っ赤になってしまう。
ディアンヌを抱えたまま静かな廊下を歩いていく男性。
沈黙に耐えかねて、ディアンヌは慌ててお礼を言った。
「あの、ありがとうございます。助かりました」
「いや……お礼を言うのはこちらの方だ」
「……え?」
噛み合わない会話にディアンヌは首を傾げた。
(どうしてわたしがお礼を言われるのかしら?)
もしかして知り合いなのかもしれないと名前を問いかける。
「あの、お名前を聞いてもよろしいでしょうか?」
「…………」
唇は固く閉ざされたまま、何も語られることはない。
余計なことをしてしまったかもしれたいとディアンヌが反省した時だった。
「……リュドヴィックだ」
(リュドヴィック、リュド……どこかで聞いた名前だわ)
ディアンヌはじっくり考えたものの、この状況で思い出すことはできそうになかった。
こんな時、自分から家名を聞いてもいいのかはわからない。
経験不足の自分が嫌になる。
先ほどの医務室に向かっているようだ。
医師は再び運ばれてきたディアンヌを見て驚いているようだ。
リュドヴィックは丁寧にディアンヌをベッドに下ろす。
身なりからして、高位貴族なのではないだろうか。
しかし今までメリーティー男爵領で家の手伝いばかりしていたディアンヌは名前を聞いてもわからない。
ディアンヌを抱えたまま静かな廊下を歩いていく男性。
沈黙に耐えかねて、ディアンヌは慌ててお礼を言った。
「あの、ありがとうございます。助かりました」
「いや……お礼を言うのはこちらの方だ」
「……え?」
噛み合わない会話にディアンヌは首を傾げた。
(どうしてわたしがお礼を言われるのかしら?)
もしかして知り合いなのかもしれないと名前を問いかける。
「あの、お名前を聞いてもよろしいでしょうか?」
「…………」
唇は固く閉ざされたまま、何も語られることはない。
余計なことをしてしまったかもしれたいとディアンヌが反省した時だった。
「……リュドヴィックだ」
(リュドヴィック、リュド……どこかで聞いた名前だわ)
ディアンヌはじっくり考えたものの、この状況で思い出すことはできそうになかった。
こんな時、自分から家名を聞いてもいいのかはわからない。
経験不足の自分が嫌になる。
先ほどの医務室に向かっているようだ。
医師は再び運ばれてきたディアンヌを見て驚いているようだ。
リュドヴィックは丁寧にディアンヌをベッドに下ろす。
身なりからして、高位貴族なのではないだろうか。
しかし今までメリーティー男爵領で家の手伝いばかりしていたディアンヌは名前を聞いてもわからない。