(信じられない! わざわざこんなことまでして嫌がらせをするなんて……)

誰にも声をかけられない理由や、ディアンヌが一人でいることで笑い声が聞こえた理由もわかってしまった。
そしてシャーリーのこの言葉でディアンヌに敵意がある視線が向けられる。
ディアンヌが、体を使って愛人の座を狙っているとでも思われていたのだろう。
ディアンヌがパーティーに参加したことがなく、無知なことを知っていて、このようなことをするシャーリーに腹が立って仕方なかった。


「あなたがこのパーティーを紹介したんでしょう!? それにドレスだって……っ」

「言いがかりはやめてくれる? そんな安物のペラッペラの下品なドレス、わたくしが勧めるわけないじゃない!」


ディアンヌを馬鹿にする笑い声が聞こえた。
悔しいけれど、この状況をひっくり返す術が見つからない。


「あなたのこと、友達だと思っていたのに……!」


ディアンヌはシャーリーを友達だと思った。
思っていたからこそ、裏切られたような気分になる。
その言葉を聞いたシャーリーの眉が吊り上がっていく。
そして彼女は怒りを含んだ声でディアンヌに言った。


「わたくしがアンタなんかと友達なわけないじゃない!」

「……!」

「勘違いするんじゃないわよ! 没落寸前の貧乏令嬢の分際で物乞いなんかするから悪いの。わたくしは身の程をわからせてやっただけ……わかった?」