彼は一言呟くと黙りこくったままわたしが抱いた赤ん坊を見つめたまま
部屋には明るい日差しが差し込み穏やかな日和なのに妙な緊張感が漂う
見習いの牧師さんぽい若い男性と金髪碧眼のがっしりした体格の彼
三人しかいないはずなのに空気が変化していく感覚・・・・・これって彼の膨大な魔力のせい?
ぐるぐる色々なことを考えてると彼は思ってもいないことを言い始めた

「わたしは魔法省長官のカイル・アルカイドだ君とは初対面だがカトリーヌ様から時折話は伺っているよ」
「あ・・・・・は、はい!はじめましてわたしはミラと申します今日は宜しくお願いします」

王族・・・・・!この人王族なのか王族の縁者か何かだ
名字に国名が入ってるしどんな繋がりがあるかわからないけど失礼がないようにしなくちゃ

「ああ、そんなに身構えなくていいよもう俺は王族なんて真っ平ごめんなんで王位継承権は放棄してるし婿入りしてるからただの魔法好きなおっさんだよ」

そんなことを言いながら笑みを浮かべる彼に苦笑いしかない
王族の人なんて孤児院に働く平民のあたしなんかがそうそう出会えるもんじゃないし・・・・

「では早速だけど抱かせてもらっても?」
「は、はい」

彼女を差し出すと一瞬で彼の顔色が変わった
あまりよくないことが起きてる・・・・・ただそう思った

「この首のやついつから?」
「え?孤児院の前に捨てられていた時からですが」
「おい、ハンスお前はちょっと席外せ「え?ですがカイル様未婚の女性と二人きりはまずいんじゃ」
「大事な話だ!俺が未婚のシスターにどうこうする訳がないだろ!!」

2人きりになったと同時に彼はゆっくりと語りだした