シスターミラside

私が住むアルカイド帝国、四方を海に囲まれた島国である
温暖な気候で農業と漁業が盛んで穏やかな気質の国民が多い
この国では生活に魔力が根付いてて平民でも微量な魔力があるのが特徴だ
魔力がないと日々の生活にも不便を感じるほど・・・・
まあ稀に魔力がないひともいるけれど
でもそんなひとには私は今まで会ったことがない
貴族なら魔力があるのは当たり前それは平民でも微量な魔力があるのが当然で
そんなこの国でこれはありえるのだろうか


「もしかしてこの子魔力がないの?」

思わず呟いてしまったわたしの目の前には小さな小さな赤ん坊
王都の外れにあるこの小さな孤児院の前に捨てられていた女の赤ちゃん
雨の音に紛れてはいたが外から聞こえる元気な赤ちゃんの声に気付き慌てて飛び出していた
こんな雨の日に捨てなくてもいいのに何を考えているんだろう
赤ん坊は震えていてかなり熱があった・・・・大丈夫だろうか
ふと何気なく首元を見ると黒いチョーカーのようなものが巻き付いている

これは一体・・・・・?

それにこの子からはこの国の人間ならば誰しもが持っているものが感じられない
そう、魔力だ・・・・この子の魔力を測定したわけではないけれどこの国の人間ならば魔力の高い低いくらいはその身で感じられる
何故かはわからないけど大人になるにつれ無意識の勘ともいえるものが働くのだ


多分この子は生まれつき魔力がない?