抱きしめられている優斗は、今困惑しているのも、おそらく私というはつかねずみがその場にいるからだろう!


私はそれを受け止め、彼女にこう言い張った。



「あたしだって……可愛い!」


・・・と漫画のような時空間をつくってしまった理香。


すると「プッ…クク…。」


と笑いを噛み殺しているような声を漏らし、その声の主は優斗だった。



「お前、案外面白ぇーことゆう奴じゃん。」



こんなに楽しそうに笑った優斗をみたのは何年ぶりだろう。


こんなに負けたヒロインみたいな気持ちになる私もいつぶりだろう。いや、毎日受けてるか。うん。