「新入生のみなさん、ご入学おめでとうございます」
賑やかな音楽と共に、体育館に新しい中学一年生が入ってくる。新入生の中に一人、氷のように固まっている女の子がいた。
彼女の名は、黒川あかね。
(うーん、吹奏楽部か…。日本伝統部か…)
あかねは、頭を悩ませていた。
あかねは、フルート歴3年。吹奏楽部に入ってフルートを続けるか、日本伝統部入って新しいことを始めるかで迷っているようだ。
あれこれと考えているうちに、入学式は終わってしまった。
次の日、各部活動のパフォーマンスがあった。しかし、入りたい部活は決まらなかった。
「どうしよう…。入部届は1週間後までにしか出せないから…」
ますます悩みは深まった。
その日の放課後、廊下で荷物を運んでいる時……
「あかねちゃん」
(えっ…名前…呼ばれた…。
あれ…この声…どこかで聞いたような…)
そっと振り返ってみる。声の主は……吉開ちゆり。
ちゆりは、あかねが小学校の時の先輩だった。ふだんはあかねは全然話しかけることがなかったのが、今回初めて話しかけられ、あかねはとても嬉しかった。
「吹奏楽部に入ってくれないかな?」
「フルートやっていたみたいだね」
となりにいたのは、すず先輩だった。2人とも中学二年生の先輩だ。
先輩たちから期待の目で見られ、あかねはどうすることもできなくなった。
(私、決めました…!)
「私、吹奏楽部に入ります……!」
賑やかな音楽と共に、体育館に新しい中学一年生が入ってくる。新入生の中に一人、氷のように固まっている女の子がいた。
彼女の名は、黒川あかね。
(うーん、吹奏楽部か…。日本伝統部か…)
あかねは、頭を悩ませていた。
あかねは、フルート歴3年。吹奏楽部に入ってフルートを続けるか、日本伝統部入って新しいことを始めるかで迷っているようだ。
あれこれと考えているうちに、入学式は終わってしまった。
次の日、各部活動のパフォーマンスがあった。しかし、入りたい部活は決まらなかった。
「どうしよう…。入部届は1週間後までにしか出せないから…」
ますます悩みは深まった。
その日の放課後、廊下で荷物を運んでいる時……
「あかねちゃん」
(えっ…名前…呼ばれた…。
あれ…この声…どこかで聞いたような…)
そっと振り返ってみる。声の主は……吉開ちゆり。
ちゆりは、あかねが小学校の時の先輩だった。ふだんはあかねは全然話しかけることがなかったのが、今回初めて話しかけられ、あかねはとても嬉しかった。
「吹奏楽部に入ってくれないかな?」
「フルートやっていたみたいだね」
となりにいたのは、すず先輩だった。2人とも中学二年生の先輩だ。
先輩たちから期待の目で見られ、あかねはどうすることもできなくなった。
(私、決めました…!)
「私、吹奏楽部に入ります……!」