そうして入浴と着替えを済ませた私は、父の書斎を訪ねて、今日のお茶会での一件について順を追って説明した。

「とりあえず話は分かった。お前が帰ってきた後、すぐに執事を学校へ向かわせたから、自宅謹慎になった理由も含めて今後についても分かるだろう」
「ごめんなさい、お父様。今度こそうまくやろうと思っていたのに……」
「お前のせいではないようだから、あまり気に病むな。それにしても、名門女学校という評判だったが内情はひどい有様だな」

 そう言って父がため息をついた時、ドアをノックする音が響き渡り、青ざめた顔の執事が書斎に入ってきた。

「ご苦労だった。それで学校側はどのように言っているのだ? なにか話を聞けたか?」
「それが……大変申し上げにくいのですが……ジュリエお嬢様の処分が、自宅謹慎ではなく退学に決まったそうです。つきましては、旦那様宛にこちらの書類を預かって参りました」

 執事はカバンの中から、グレイス女学校の校章が描かれた大きな封筒を取り出して、父に手渡した。

「いきなり退学とは……随分(ずいぶん)と厳しい処分だな」

 封を開けて内容に目を通した父が、書類を私の前に差し出してくる。