放課後になり、またもやクラスが騒めく。
騒ぐことしか考えることが出来ないのだろうか。
千穂が近くにやってきて「コンビに寄ろうよ!」といわれたが、そんなことはさておき、私は家に帰ろうと思った。
しかし、千穂が駄々をこね始めたので、渋々私はコンビニについて行くと言った。
まさか、高校一年生になってまでそんなことするとは思わなかったけど。
「この時間のコンビニ好きじゃないんだよなぁ」
ふいに千穂が言った。じゃあなんで誘うねん…
「なんで?」
そんな塩対応な言葉はぐっと飲みこんで話した。
「なんか最近ぐれてる人多いんだよ。ヤンキー」
「あ~…じゃあ帰る?」
「しれっと帰りたそうにするのやめてよ…」
「ブッ……wふはっwwwwwwwww」
「ちょ、何で笑うの⁉」
「ちょっと、wwwwまってしんどいwwwwwwww」
「何で笑ってんの~!」
あまりに悲しそうにする千穂の顔が面白かった。
変顔だったよ。
……
コンビニにはヤンキーはいなく、千穂がほっとしていた。
二人で、アイスを買いたくさんお話をして解散した。
本来なら7時くらいまで遊んでいたけど、今日はどうしても早く帰りたかった。
帰り際に千穂が
「最近の向葵、すぐ家に帰りたそうにするよね。良かった…!」
と言っていた。
昔は家に帰りたくなくてよく千穂の家にお邪魔させてもらっていた。
今となっては、私の家に誰もいない。誰も帰ってこないので、気が楽だ。
千穂に家に誰もいないことは話していない。
心配かけたくなかったから。
─────────────────────────
私の家族は5人暮らしだった。
母は、私が幼いときに病気で亡くなった。
兄は、18歳になると、東京の進学校に行きでていった。
今は……何歳なんだろう。
私が7歳の時に出て行ったので、9年前。
27歳…とてもじゃないけど年が離れすぎている。
姉は高校生になると、失踪した。
部屋に私宛の手紙があったので、失踪とはまた別かもしれない。家出だと思う。
これは6年前。姉は今22歳。姉とも年が離れている。
姉とはよく遊んだりしていたので、姉と過ごす時間は好きだった。あの日までは。
……
家庭を崩壊したすべての元凶は父だ。
あんなくそジジイ。死んでも会いたくない。
去年から、ポストに紙が入ってることが度々あった。
文は『すまなかった』のみ。
字や文章からして、父だとすぐに分かった。
会いたくない。
ただその一心で家出を決意した。
先週入っていた紙には『来週、会いに行く』怖くて、怖くて、逃げ出したくなった。
来週?そんなの嘘に決まってる。
父は私を縛るため来週じゃない、今週に来る。
そういう性格の父だ。
相手の行動を抑えるべく、先に行動する人だ。
本来なら私は明後日のこの時間に家出するつもりだったが、念には念を入れ、今日、今からこの家を去ろうと思う。
誰にも相談なんてしない。迷惑なんてかけれない。
───これは、私たち家族の問題だから。
警察は、自殺や失踪であふれているこの村をこれが普通だと思っているだろう。
人、一人が失踪したところで、もうたいして慌てていない。もう疲れたのだろう。
私にとっては好都合なタイミングだ。
─────────────────────────
そもそも私はこの村自体がキライだった。
何もない、何もできない、楽しむものなんてない。
生まれ育った環境が違うだけであざ笑われる。
理不尽だ。
そういえば父も昔はよく言っていた。
『この世の中は理不尽であふれている。』
昔は意味がよくわからなかったけど、今ならわかる気がする。
いろいろ考えているうちに、もう夜の7時を回ってしまった。
急いで制服を脱ぎ、ジーパン、パーカー、ジャケットを羽織り、リュックを背負う。
父が帰ってきても、しばらくは気づかれないだろう。
私が持っているのは必需品だけだ。
クローゼットの中でも見ないと到底は気づかないと思う。
そういう風に物の配置をした。
自分の部屋に『ありがとう』とつぶやき、お辞儀をした。そして、玄関の前に座り、靴を履く。
──さようなら。
そう心の中で言い、ドアを開けて走った。
騒ぐことしか考えることが出来ないのだろうか。
千穂が近くにやってきて「コンビに寄ろうよ!」といわれたが、そんなことはさておき、私は家に帰ろうと思った。
しかし、千穂が駄々をこね始めたので、渋々私はコンビニについて行くと言った。
まさか、高校一年生になってまでそんなことするとは思わなかったけど。
「この時間のコンビニ好きじゃないんだよなぁ」
ふいに千穂が言った。じゃあなんで誘うねん…
「なんで?」
そんな塩対応な言葉はぐっと飲みこんで話した。
「なんか最近ぐれてる人多いんだよ。ヤンキー」
「あ~…じゃあ帰る?」
「しれっと帰りたそうにするのやめてよ…」
「ブッ……wふはっwwwwwwwww」
「ちょ、何で笑うの⁉」
「ちょっと、wwwwまってしんどいwwwwwwww」
「何で笑ってんの~!」
あまりに悲しそうにする千穂の顔が面白かった。
変顔だったよ。
……
コンビニにはヤンキーはいなく、千穂がほっとしていた。
二人で、アイスを買いたくさんお話をして解散した。
本来なら7時くらいまで遊んでいたけど、今日はどうしても早く帰りたかった。
帰り際に千穂が
「最近の向葵、すぐ家に帰りたそうにするよね。良かった…!」
と言っていた。
昔は家に帰りたくなくてよく千穂の家にお邪魔させてもらっていた。
今となっては、私の家に誰もいない。誰も帰ってこないので、気が楽だ。
千穂に家に誰もいないことは話していない。
心配かけたくなかったから。
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私の家族は5人暮らしだった。
母は、私が幼いときに病気で亡くなった。
兄は、18歳になると、東京の進学校に行きでていった。
今は……何歳なんだろう。
私が7歳の時に出て行ったので、9年前。
27歳…とてもじゃないけど年が離れすぎている。
姉は高校生になると、失踪した。
部屋に私宛の手紙があったので、失踪とはまた別かもしれない。家出だと思う。
これは6年前。姉は今22歳。姉とも年が離れている。
姉とはよく遊んだりしていたので、姉と過ごす時間は好きだった。あの日までは。
……
家庭を崩壊したすべての元凶は父だ。
あんなくそジジイ。死んでも会いたくない。
去年から、ポストに紙が入ってることが度々あった。
文は『すまなかった』のみ。
字や文章からして、父だとすぐに分かった。
会いたくない。
ただその一心で家出を決意した。
先週入っていた紙には『来週、会いに行く』怖くて、怖くて、逃げ出したくなった。
来週?そんなの嘘に決まってる。
父は私を縛るため来週じゃない、今週に来る。
そういう性格の父だ。
相手の行動を抑えるべく、先に行動する人だ。
本来なら私は明後日のこの時間に家出するつもりだったが、念には念を入れ、今日、今からこの家を去ろうと思う。
誰にも相談なんてしない。迷惑なんてかけれない。
───これは、私たち家族の問題だから。
警察は、自殺や失踪であふれているこの村をこれが普通だと思っているだろう。
人、一人が失踪したところで、もうたいして慌てていない。もう疲れたのだろう。
私にとっては好都合なタイミングだ。
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そもそも私はこの村自体がキライだった。
何もない、何もできない、楽しむものなんてない。
生まれ育った環境が違うだけであざ笑われる。
理不尽だ。
そういえば父も昔はよく言っていた。
『この世の中は理不尽であふれている。』
昔は意味がよくわからなかったけど、今ならわかる気がする。
いろいろ考えているうちに、もう夜の7時を回ってしまった。
急いで制服を脱ぎ、ジーパン、パーカー、ジャケットを羽織り、リュックを背負う。
父が帰ってきても、しばらくは気づかれないだろう。
私が持っているのは必需品だけだ。
クローゼットの中でも見ないと到底は気づかないと思う。
そういう風に物の配置をした。
自分の部屋に『ありがとう』とつぶやき、お辞儀をした。そして、玄関の前に座り、靴を履く。
──さようなら。
そう心の中で言い、ドアを開けて走った。