朝、目が覚めてカレンダーと睨めっこをする。

1日から順番に日付を眺めていき、ある数字のところに目をとめ赤い丸でをの数字を囲った。

これが一週間ほど前の出来事だ。
今となってはずいぶんと昔のように感じる。

この日に私は予定を決行する。そう決めた。

1年ほど前から緻密に練ってきていた計画だ。誰にも邪魔させない。誰にも邪魔させないけど、誰の邪魔にもならないから話しかけないでほしい。

もういっそそんな看板持ちながら歩こうかなと、変なことが思い浮かんだ。そんな冗談は切り替え、学校用のカバンではない、また別の少し大きめのカバンに荷物を丁寧に収納していく。

今まで頑張って稼いだバイト代や、スマホの充電器、服などの必需品を、跡形もなく詰めていった。ロッカーの中身が空になって、引っ越し前の日のことを少し思い出す。

高校生にしては、殺風景な部屋だと思う。

中学生の時は、もっと皆みたいに可愛らしい部屋にアレンジしたかったけど、親に止められた。

今となっては、キュルキュルしてたり、ギラギラしてたり、ピンク!女の子でぇぇす!みたいな部屋よりかは、まぁいいだろうと思った。

予定決行の日は残すところ1日。
残りの必需品をカバンに無理やり詰め込んだ。
 

しばらくカバンを見つめ、顔を上げた。部屋に残ってるのは、ベット、ぬいぐるみ、制服、机、椅子…どれも持っていくことが出来ない、大きくて邪魔なもの。そして、一度も使わず放置していた必要のない大嫌いなもの。これだけ嫌なものしかない部屋を見ると腹の底からなぜか腹が立ってくる。嫌い、嫌い、嫌い、大嫌い。
 

そんな、大嫌いなものしかない私が一番大嫌いだった。