「俺、どこか田舎に引っ越そうと思うんだ。」


「どうしたの?突然。」


アスミは驚いた様子も見せずに、ただ俺の向かいに座った。


「このまま逃げ続けるわけにはいかない。正式に今のバンドを脱退して、田舎で一からやり直そうかと思うんだ。東京にいたら知ってる人が多すぎて甘えが出るから。」



言ったぞぉぉぉぉ。


思いを吐き出しても、まだ心臓は鳴り止まない。