俺は目の前に置かれた寿司に手を付けるでもなく、ただ座って寿司を見つめた。

人生という名の迷路にいる俺に、食欲があるはずがない。


寿司の包みには『田舎寿司』とある。


ん?


田舎寿司?


田舎?


これだ!


完全にその場の思いつきだった。


だけど、これしかないと思った。