「さてと、飛び出しちゃったのはしょうがないとして、あなた荷物はどうするの?
うちには男物の服なんてないわよ?」


「服とか生活用品はあとで買うよ。家に戻ったら事務所の奴につかまる。学校もしばらく休まなきゃ。マスコミがうるさいだろうし。」


「なんでもかんでも買うの?」


「仕方ないだろ。」


「シュンは贅沢ね。」


アスミは、今度は少し笑ってそう言った。

とはいえ、長年連れ添った俺でないと、アスミが笑ったとは誰も思わないだろう。