言いづらいと思うなら、もう少し遠まわしに言ってくれてもいいんじゃないか?

落ち込んだ俺の様子に構わずタクミは続ける。


「マネージャーは気を遣ってああ言ってくれてるけど、ハッキリ言ってセンスないよ、お前の曲。」


ガーン。

言ってくれるじゃないか。

そのセンスのない曲で最初の2曲はCDを出せたんだぞ。


そう言いかけて俺は自分の口を手で塞いだ。


だから売れなかったのか・・・?

あれれ?


「曲作りは俺達に任せて、歌うことに集中してくれればいいよ。
お前は文句なしに歌唱力はある。
ルックスだっていいし、間違いなくシュンがバンドの顔なんだ。それで満足してくれよ。」


俺はタクミのその一言で完全にキレた。


プツなんてもんじゃない。

ブチだ。


ぶち、ブチ、ぶちーん。