3曲目以降はタクミが音楽作りを担当し、それからは出す曲全てがヒットした。


毎日がむしゃらに働いて、いつの間にか俺達は日本一有名なアイドルバンドになっていた。


ついこの間なんてポップス界の栄光、トップオブザポップスという由緒正しき賞まで頂いてしまったんだ。


これはもうロックのロの字も語れないだろう?


そんな生活を2年もして、俺はこの生活に疑問を感じ始めていた。


だけど気付いた時には、既にバンドのメンバーの心は離れていた。


俺は皆が何を考えているのかさっぱり分からなくなっていたんだ。


だから今、俺はメンバーの目を覚まさせるために一喝入れてみた。


俺達は、アイドルなんかじゃない。
ロックバンドなんだという、みんなの声が聞きたかった。