こいつはただ、俺の書いた曲をプロデューサーに渡して、プロデューサーに言われたことをそのまま俺に伝えているだけなんだ。


マネージャーが悪い訳ではない。


そうと分かっていながら俺はこの、禿げでデブで、見るからに仕事のできないトロそうな男から視線を外すことができなかった。


マネージャーは気まずそうにオロオロしながらも、憐れんだ目で俺を一瞥すると、静かに楽屋を後にした。


そのまま立ち去ればいいものを、思い出したようにドアを開け、


「この後雑誌の取材があるから、すぐ出られるように準備しといてね。」


と言って、マネージャーは再び気まずそうに楽屋を後にした。


くそ。