手芸の店に行った後は、駅の隣にあるお店で売っている、濃厚な牛乳味のソフトクリームをふたつ買い、駅前の広場の白くて丸いテーブルの席に座り、叶人と一緒に食べる。

 最近の、俺にとって至福な時間だった。

 ソフトクリームを食べている時の叶人は、いつも幸せそうな顔をしてる。そして口元にいつもソフトクリームつけてて、可愛い。うん、その時だけではなく、いつも可愛いんだ。見た目も小さくて、小動物みたいな見た目で、言動もふわふわしていて。

さっき「白い色の羊毛がかわいい」と言っていた叶人だけど、叶人が白い羊毛みたい。

毎回ソフトクリームが食べ終わった後に「口の横についてるよ」ってティッシュを渡すと「本当に?」って言いながら、照れたような表情をしてティッシュを俺から受け取り拭いている。

「美味しかった! ごちそうさまでした」

 ほら、今日も。

「叶人、口の横にソフトクリームついてるよ」
「本当に?」
「ふふ、叶人、毎回ソフトクリーム口についてるよな?」
「だって、美味しいから顔につくの気にしないで、真剣に食べちゃうんだもん」
「はい、ティッシュ」

――美味しいって言ってくれて、嬉しいな!

 ゆっくりと口元についたソフトクリームを拭く叶人。

「叶人、今日はこの後も暇?」
「暇だよ」
「そしたら、羊毛フェルトやりに叶人の家に行っていい?」
「いいよ! やり方教えてあげるよ」
「ありがとな!」

 そうして俺らは、叶人の家で一緒に羊毛フェルトをやることになった。