「あれ?澪さんちょっとご機嫌ですね。何か有りました?」
話し掛けたのは皆川朋子(みながわ・ともこ)。澪と同年齢で新卒入社した澪の後輩にあたる。
黒髪ショートヘアーのメガネ女子だ。
澪の印象は委員長タイプ。澪と同じ年齢ながら年上年下、子供相手だろうが敬語で話す。

「うん、お見合いをすることになってね」
「へー澪さん結婚願望あるんですか?」
「うーん…暖かい家庭は持てればいいなと思うけどまだ結婚は良縁次第ね…。今回は吉田さんからのお誘いなの」
「なるほど吉田さんって人柄がいいから色んなコネありそうですね。結婚したくなったら私も紹介してもらいたいです」

そんな話をしながら仕事をこなし、お見合いの日を迎えた


「お見合いって着物のイメージなんだけど…着物持ってないしスーツでもいいかな〜」
部屋をウロウロしながら手紙の日時を何度も確認しソワソワした。


お見合いが行なわれるというホテルに行く。
手紙にはホテルの客室を借りているそうなので、フロントで名前を伝える。
部屋番号を教えられ相手は少し前に到着しているとの事。
早目に着くようにしたが待たせてしまったかと焦る澪。

部屋に到着するとドアストッパーが置かれ少しドアが空いてた。
ドアを開け「し、失礼します」とソッと入っていく。


カタンと物音が聞こえる方に目をむけると…


「「…えっ?」」



金髪の全裸男性がいた。
澪はすぐにお見合い相手だと認識し全身を眺めてるしまう。下半身も見てしまい心の中で悲鳴をあげる


「もしかして澪って子?」
「はい。」

嬉しそうな笑顔になった男性は澪を抱きしめる

「きゃあ!なななな何するんですか!離してください!」
離れようと暴れるがビクともしない

「オレ、百目鬼和彦(どうめき・かずひこ)よろしく〜」
「わ、私は伊澄澪《いずみみお》です。本日はお世話になります!なりますから離してください」

「うんうん、お世話しちゃうよ〜。まずはシャワー浴びておいで」
「はいぃ?」

「今日はお見合いで来たんでしょ?」
「はい…」

「お互い裸を見せて合体…略してお見合い!」
何故かドヤる和彦
「いやいや、なんですか取って付けたような感じは!違います」

「なんですかも何も体の相性は大事でしょ」
「体よりも心の相性が大事です!」

抱かれたままの状態を脱出しようと暴れるが更に強く抱きしめられる

「んぅ……」

和彦から突然キスされる

「いいからシャワー浴びてこいよ」


澪には和彦が怒ったような表情にみえた
機嫌を損ねたと思い浴室に向かう