『何にせよ、先輩が夜の世界に戻ってくるとは
思いませんでした』

「戻ってはないよ⁉」

『現役バリバリで駆け抜けていくと思ってたのに
急に辞めちゃうからびっくりでしたよ』

「やめてよ、もう2年も前の話でしょ」



 当時、ララちゃんだけはずっと
わたしが辞めるのを止め続けてくれていた。


 わたしが辞めるなら自分も辞めると言ったり
毎日電話をかけてきたり、家まで来たり。
それはもうあの手この手でだった。


「今思えばわたしのお客様より必死だったね」

『無論です』


 結局、わたしの2代目として頑張るから
『苗字ください』ってことで落ち着いたんだっけー…。


『あ、先輩もうそろ時間ですね』

「うん、そろそろ行かないと」

『生意気なことやったらすぐ言ってください。
私、〆ますんでまじで』


 かわいい顔して結構やんちゃな部分も可愛いララちゃん。