「ー…でわたしに何をしろと?」

『ユウの営業の極意。
あの子に教えてあげて欲しいのよ』

「本気で言ってるー…?」

『もちろんよ』


 キラキラした目でわたしを見つめる。
その言い知れぬ魅力に圧倒されつい「はい」と
口走りそうになり、ギリギリのところで踏みとどまる。


『もちろん、仕事として依頼するわ。
衣食住は任せて頂戴ね。

あとわー…。』


んーと少し考え
『そうね』と


『ナオが№1になった時には
成功報酬として”300”でどう?』


 親指と人差し指を曲げる独特な”3”の表現をしながら
わたしの反応を伺う。

 きっともうわたしが断れないのを
この人は知っていて楽しんでいるに違いない。


 ユウ。
諦めるのよ。マスターはそうゆう人だ。