20歳で知った。
華やかな世界の光と闇。表の嘘と裏の本音。

 それでも1番にこだわり、必死だった。


 誰にも負けたくない。
それだけで動けていたあの頃のわたし。


 懐かしいなー…。



『ー…っということで
今日で宿舎も出て行ってもらうことになるので
荷物まとめたら鍵だけよろしくね』



 昔から何をしても人並み以上にはできていた。
だから仕事が出来ないで困ったことはなかったけれど

 仕事がなくて困る日が来るとはね。

 まったく盲点でした。


 夜職を辞め、2年。
勤めていた会社が火の車だったことにこれっぽちも気づかず
わたしは本日をもって

 晴れて無職、家無しになりました。


「神様。いるならどうぞ出てきて。
1度腹を割って話し合いませんかー…?」


 昼間の公園でわたしはボソりつぶやく。