「起きなさい」


『ー…。』



 大丈夫よわたし。

イライラしちゃダメ。
こうゆう時こそ冷静になるのよユウ。



「12時よ。起きなさい」


『ー…・』



 プチンと何かが切れる音が頭に響く。
と同時にわたしの手はナオが被っていた布団を
引っ張り投げていた。


『ー…‼なにすんだよ‼』

「何回起こしても起きないからでしょうが‼」


 これはもう、この家の日課になり始めていた。


「12時には1回起きなさいって言ったでしょ‼」

『昨日めちゃくちゃ飲まされて具合悪いんだから
寝かせろよ』

「駄目よ。ケータイ。ほら」


 手をひらひらさせるわたしを睨みつけるナオ。
そんな顔してもダメなものはダメ。


『ー…わかったよ』


 まだ目のあかないなかでも
ケータイを手に取り操作するナオ。

 なんだかんだで意外と素直だから。

 と。


『あー…。』

「どうしたの?」

『ブロックされてる』


 ー…。
ブロック確認の画面を見て肩を落とす。
これは連絡の送り方から教えないとー…。


 こうして今日も1日、わたしのプロデュース生活がはじまる。