部屋の目の前には驚いたことに遠野さんがいた。
そしてバッチリ目が合った。

「遠野さん…」

さっきのことがあって少し気まずい…

「あの、鈴野さん!」

「は、はい!」

「さっきは部屋を間違えてすみません…」

「えっ?いえ、とんでもないです!大したことではないですし。」

なんだ、びっくりした…
よしっここは…

「私、料理するとき塩と砂糖を入れ間違えたことがあるんです、それに比べたら全く大したことないですよ!」

フォローになってるといいんだけど…!

「ぷっ、なにそれ。ほんとに間違う人なんているんだ…ありがとうございます、鈴野さん。」

そう言って遠野さんは笑った。

「そうですよね、自分でもその時は驚きました!」

そう言って私も笑い返した。

にしても笑顔、綺麗だなぁ…
少し見惚れていると、見つめすぎたのか、

「あ、あの?俺の顔になにかついて…?」

と聞いてきた。

「い、いえ!笑顔が綺麗だな、と…」

正直に言ってしまうと遠野さんの顔がブワッと赤くなり、手で顔を隠した。

え、乙女ですか?

「あ、これから千佳さんとここらへんの散策に行くんですけど、一緒にどうですか?」

赤面には触れないで遠野さんを思い切って誘ってみることにした。

「ぜひ行きたいです!」

「やった!行きましょう!」

そして私たちは千佳さんを含め、3人で散策に行くことになった。

仲良くなれたらいいな!