『まがりかどのおはなし会』


ひらひらと降ってくる紅葉を追いかけた先、ふと、小さな看板が目についた。


歩道の邪魔にならないようにそっと置かれた背の低い看板には、イベント名とお店の名前らしきもの、今日の日時が手書きで丁寧に記されている。


……こんなところに、本屋さんなんてあったんだ。


お昼を食べ終わってのんびりお散歩中だったから、ちょうど時間が空いている。立ち読みがてら、見学でもしようかな。


寄ってみたくなって、そっと看板の脇に踏み入れた。


それが、わたしが本屋兼個人文庫『ちいさなまがりかど』を知ったきっかけである。