ソーダを口にしながら結芽はまた思う。何故、自分はこの川がソーダでできているとわかったのだろうかと。普通に生きていて、川の水がソーダだと想像することはないだろう。

（この不可思議な世界を私は知っている……？）

霧がかかったような頭で結芽は考え込む。そんな彼女をシャムスはどこか寂しそうな目で見ていた。その時である。

「ギャアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ！！」

まるで悲鳴のような大声と共に地面が大きく揺れた。結芽たちは地面に倒れてしまう。

「な、何？」

結芽が恐る恐る顔を上げると、川から巨大な怪物が姿を見せていた。丸い大きな体に太い手足、そして顔の中心に大きな目がある怪物だ。

「ひっ！」

結芽は小さく悲鳴を上げる。するとシエロが結芽を守るかのように彼女の前に立った。

「シエロは結芽をそのまま守っていてくれ！俺たちはあの怪物を倒すぞ！」

シャムスが懐から剣を抜き、フロルとステルラも銃や杖を構えた。シャムスが真っ先に動く。地面を蹴って飛び上がり、剣を怪物に向かって振り下ろした。