「もしかして、明寿咲ちゃん?」
「え、誰ですか?」
肩を軽く叩かれ、驚いて振り向く。
なんだか見たことあるような…?
すごくイケメンだ。
「あれ、知らないの?君の親が教えてると思った」
「だから誰ですか⁉︎」
「じゃあ、改めて。俺の名前は、磯崎 龍二(いそざき りゅうじ)。よろしくっ」
いやいや、ばっちりウインク決められても困るんだけど‼︎ ツッコミどころ満載なんだけど‼︎
千紗だったら、絶対ツッコんでるよ‼︎
なんで私の名前を知ってるの⁉︎
なぜいきなり声をかけた⁉︎
どうしてここにいるの〜⁉︎
「お、落ち着いて、明寿咲ちゃん。鼻息荒いよ」
「あの、順番に説明してくれます?」
なんとかそう言うことができた。
こんなに問い詰めたい気持ちなのに、それだけしか言わなかった自分のことをほめたい。
「あー?え、うん。まぁ、単刀直入に言うけど。今日から俺たちは同居する__つまり、同居人ってことだ!」
「ど、ど、同居⁉︎」
びっくりしすぎて、声が裏返ってしまった。
同居なんて、私の想像のはるか上を通っていた。
「そう。親に捨てられた君を、俺たちが引き取ったってわけ〜♪」
「なんでそんなに嬉しそうなの⁉︎」
「だって明寿咲かわいいし。俺んち、男しかいないからさ。どんな子か楽しみにしてたんだよ〜!」
なんだ、このノリは。
ある意味すごい人に引き取ってもらうことになるとは!
「さ、俺んちに案内するよ。さっきも呼び捨てしちゃったけど、呼び捨てでいいよね?うん、ありがとう。俺のことも呼び捨てしていいからね?うん」
誰と会話してるんだ、この人は。
っていうか、男しかいないって…‼︎
どうなるんだろ、私の新生活…‼︎